長屋の大家が呼んでいるというので、店子が集まると、「向島に花見に行こう、酒と肴は用意してあるから」という。店子が喜んでお礼をいうと、大家は「貧乏花見だから酒は番茶、かまぼこは大根のこうこ、卵焼きは沢庵だ」とネタ晴らしをする。店子は礼を言うのが早すぎたとぼやくが、行くと言ったのだからと花見に向かす。
向島に着き、大家が見晴らしのいい土手の上にしようというと、店子は見晴らしなんてどうでもいい、下にいれば上から本物の酒肴が落ちてくるかもしれないから下にしようといい、土手下に陣取る。大家はお茶を飲みながら酒を気分になっているが、店子は何やかやと言い訳をして飲み食いしたがらず、大家は酔っている振りをしろと言いつける。
本物でないとどうにも盛り上がらない店子を見て、大家がどうしたものかというと、店子が名案があるという。向こうで花見をしている一行のそばで喧嘩を始めれば、女子どもがいる一行は逃げるはず、そこで残った酒肴をもらってこようという案。喧嘩をふっかけたところ、まんまと逃げたので、残ったものを飲み食いしはじめる。
追い出された一行は、酔っ払いの喧嘩に巻き込まれるのは嫌だからもう帰ろうとするが、一行の中の一人の男が避難させた酒が飲まれているのを見つけて、取り戻してくるという。勇気をふるって、喧嘩した二人にかけあうが、二人は落ちているものを拾ってきただけと開き直る。袋叩きにすると脅すのにおびえた男は、「手桶なんて持ってきて、殴ろうというのか」という二人に、「足らないと思って、お替わりを持ってきました」と言ってしまうといううサゲ。
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